動画
活断層調査について動画にて説明しています
※「EE東北’2022」でのインタビューにてトレンチ調査について解説をしている動画です※
活断層の調査方法
空中写真判読等机上調査
過去の古い空中写真を利用して、断層特有の地形やリニアメントを抽出します。最近では数値データを使用してより詳細な変形地形を把握することが可能です。
地形地質踏査
活断層沿いには断層特有の地形(変動地形といいます)が連続的に分布しています。地形地質踏査では、地形特徴、断層露頭、基盤岩の破砕度等により断層の特徴や断層の位置を把握します。空中写真判読結果、踏査結果等を統合して、具体的な調査方法を決定します。
ボーリング
ボーリングは地下の地質を採取し、採取した地質より断層の有無や地質状況を把握する方法です。地形地質調査によって得られた情報を元にボーリング地点を決定し、集中的にボーリングを実施することで、断層の詳細な位置や、断層の活動時期を推定することが可能です。
物理探査
物理探査は、より広域の地下構造の把握が必要な場合に実施します。反射法地震探査、地中レーダー探査等を実施することにより地下の地質構造を把握し、断層の位置や形状を明らかにします。
トレンチ調査
トレンチ調査は掘削をして直接断層を観察するため、詳細な情報を得ることが可能です。但し、掘削できる範囲は限られているため、掘削する場所の選定が重要となります。地形地質踏査、ボーリング調査、物理探査結果、埋設物、人工改変なども考慮し慎重に調査位置を決定します。掘削後は、壁面をきれいに整形し、断層構造、地層の状況をスケッチとして記載します。
サンプル採取
断層の活動時期を調べるためには、地層の年代を知る必要があります。地層中には木片や火山灰が含まれていることがあり、それら年代試料を分析することで年代を明らかにすることができます。特に木片は炭素同位体年代測定(14C年代測定)により詳細な年代を明らかにすることができます。但し。木片は他の地層から紛れているものもの、汚染されているものもあり、慎重に採取する必要があります。
剥ぎ取り
通常、トレンチ調査を行った後は埋戻しを行い、現状復帰をします。トレンチ調査を行った結果を後に見直す場合や、断層部を記念に残す場合は壁面のレプリカ作成(剥ぎ取り)が有効的です。
実績
- 令和2年度横手盆地東縁断層帯南部の活断層調査
- 熊本県御船町におけるトレンチ掘削調査
- 雲仙断層群北部におけるボーリング調査
- 小倉東断層および福知山断層帯の活動履歴調査
- 野坂断層帯及び三方断層海域部における音波探査及び海上ボーリング調査
- 長良川上流断層帯の活動履歴調査
- 阿寺断層帯(佐見断層帯及び白川断層帯における活動履歴調査)
- 4月11日福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層のトレンチ調査
- 国府津‐松田断層帯の活動性調査