国土交通省からの表彰。博士号取得。
これまでの経験を、会社や業界のこれからのために。
大学で地質の研究をし、地質調査のアルバイトをしたことを機に業界に興味を持ち、教授の紹介で中央開発へ。入社以来、関西支社技術部(当時調査部)に所属。多くの業務の担当技術者・主任技術者を経験し、技術部課長、部長を経て2021年より支社長。現在も調査・研究に携わる傍ら、支社の人材育成や会社運営、業界発展のための活動にも携わっている。
※内容および社員の所属は、取材当時のものです。
入社直後から関西支社の技術部に配属され、現在までずっと関西で地盤調査を中心とした仕事を担当しています。私は東京出身ですので、配属先がアウェーである関西だと聞いたときは、正直身構えました。そんな私が関西支社の支社長になるに至ったのは、これまで支えてくれたまわりの方々のおかげ。支社を引っ張っていく立場になった今も、相変わらずみんなに支えられています。これまで30年近く働いてきたなかで、自分自身の原点になっている出来事があります。それは、入社2年目のときに起きた阪神淡路大震災。地盤の液状化の被害を目の当たりにし、地盤調査の重要性を痛感しました。当時、耐震強化のための地盤調査を多数担当。人手が足りないなか、若いながらもプロとして段取りやお客様との折衝を行う経験を経て仕事の意義を感じたと同時に、大きな自信にもなりました。
お客様に喜ばれることに大きなやりがいを感じたのは、河川堤防の強化、高規格道路、港湾整備などの国土強靭化のためのインフラ整備に関わる地質調査を担当したときのこと。地盤の専門家として山や川、海上でボーリング等を行い、地盤の構成や特性を明らかにし、後の設計・施工に引継いでいくことで「安全対策がむずかしい場所でよくやってくれた」「この正確なデータがあればスムーズに建設が進む」など感謝のお言葉を多数いただくことができました。多くの業務を経験することで知識や経験を蓄え、技術士も取得。なかには国土交通省から表彰をいただけた業務もあり、技術者として大きな励みになりました。近年、高速道路等のインフラ整備は急速に整備されていますが、自分が何年も前に手がけた調査の時を思い出すと、大変感慨深いです。
私は入社以来、「大阪湾フェニックス計画」という海面処分場の整備や維持管理に関わる業務に携わっています。私が入社した当時は、大阪湾で最初の海面処分場が陸地化する頃。大都市に近い海を埋め立てて、ごみを処分する。さらに、そこを新たな土地として活用できれば、一石二鳥ですよね。しかし、廃棄物地盤に果たして家を建てられる強度があるのか、あるいはごみを埋め立てた場所は安全なのかなど、さまざまな懸念があります。それを、工学的な立場で明らかにする調査・研究を行っていました。その成果を論文にまとめ、社会人として働きながら博士号をいただけたことは大きな達成感がありました。現在は、処分場の維持管理期間が長期化し行政の負担になってしまっていることを受け、処分場を早期に廃止し、跡地を利用するための廃棄物層の安定化等に関わる調査、研究を行っています。
これまでは、ボーリング調査や試験を行う地盤調査の業務を中心に携わってきました。これからはその知識や経験を生かし、会社の運営や人材の育成、業界の発展のために何ができるかを考えています。現在は建設現場の業務効率化・高度化を図るためのBIM(Building Information Modeling)/ CIM(Construction Information Modeling, Management)や建設DXの推進など新しいことにも挑戦する時期であり、業界も大きな転換期となっています。将来的には、どこかの星で地質調査をするなんてこともあるかもしれません。建設コンサルタントや地質調査の協会などの運営にも携わり、多くの方と協力してできることを増やし、業界の発展に貢献できればと思っています。私が支社長を務める関西支社は、東京支社に次ぐ大きな拠点。万一のときでも関西支社が本社機能を担えるくらい、強い組織をつくっていきたいと考えています。
子どもの頃、砂遊びや泥遊びが好きだった。そんな方であれば、この仕事に魅力や意義を見出し、長く続けられると思います。地盤調査は、普段あまり知ることのない地下の地盤構造や特性を明らかにするとても専門的な仕事です。言わば、縁の下の、その下を支える力持ちです。これまで明らかにされていなかったことを発見する喜びがあります。また、その知識や経験は国土を強くするためのインフラ整備には欠かせないもの。自らの専門性を生かして、社会に貢献することができます。さらに、現在は建設現場も大きく変わろうとしている時期です。これまでの実績や経験に加えて、若い人のアイディアやパワーを必要としています。ぜひ一緒に仕事をしましょう。