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PROJECT STORY01

TOKYO BAY
AQUA LINE

「土木のアポロ計画」を支えた
大水深海上ボーリング。

東京湾アクアライン
1981年 〜 1997年

1997年に開通し、今や1日に4万6000台の車両が通行する通称「東京湾アクアライン」。その一部を構成する「東京湾アクアトンネル」の全長は、海底道路トンネルとしては世界一を誇る(9,607m)。そんな「東京湾アクアライン」の建設にも中央開発の大水深海上ボーリング技術が活きている。技術者たちに「土木のアポロ計画」と言わしめた同プロジェクトに中央開発はどう関わったのか。当時、現場責任者を務めた大保(現『土と水ホールディングス』役員)と当時、一技術者として奔走した田中(現『中央開発』社長)に話を聞いた。

PROJECT MEMBER

代表取締役 社⻑
⽥中 誠
技術士
(建設部門、総合技術管理)  
⼟と⽔ホールディングス株式会社 取締役
⼤保 義秋
※内容および社員の所属は、取材当時のものです。
総事業費1.4兆円。世界最大規模のプロジェクト。
東京湾を中心に形成される東京、神奈川、千葉の大都市圏。昭和30年代、当時の人口増加の予想では過密が拡大し、快適な生活と業務効率を損なうだろうと見られていた。そこで計画されたのが「東京湾横断道路」の建設である。京浜地域と開発余力の大きかった房総地域を全長約15.1kmのトンネル、橋梁、人工島で結び、木更津-川崎間を110kmから30kmへ短縮。移動に要する時間を1/4にし、人口の一極集中の緩和を図るという総事業費1.4兆円にも上る世界最大規模のプロジェクトだ。
東京湾海底の地盤が軟弱だったこと、地震が頻発する地域だったことなど悪条件が重なり、技術者たちからは「土木のアポロ計画」と呼ばれていた。
中央開発は1981年の地盤調査から参画。
「数ある現場のうちのひとつだった」と大保は振り返る。当時、海上ボーリングの指揮においては右に出る者はいないと言われた大保。その発言からは実績に裏打ちされた自信が垣間見える。
一方、当時一技術者だった田中はこう語る。
「海上ボーリングで業界屈指の経験を持つ大保課長(当時)と、軟弱地盤評価の技術に秀でる西江課長(当時)、前『中央開発』役員)。私にとってはその二人の下で専門分野を実践的に学べる絶好の機会だった。」
現場と技術の両ベテランが参画した同プロジェクト。中央開発にとって重要な位置づけであったことは間違いない。
針の穴に糸を通すような海上調査
東京湾横断道路の土質調査は1966年に旧建設省によって開始。しかし、当時の工法では波による揺れを完全に防ぐことが難しかったため、1981年から中央開発の「傾動自在型試錐工法」が導入された。以降、中央開発は7つの業務において「東京湾横断道路土質調査業務」の中心的役割を果たすことになる。
なかでも1988年から3社JVの幹事会社として担当した「浮島取付部」の調査においては、28mという水深やヘドロの多い東京湾の海底に対応するために高さ38m、底面20m×20mという鋼製櫓(やぐら)を3基作製し対応。田中いわく「その姿は巨大なビルのようで、所定の調査地点へ設置する自信がないが第一印象」という。
千葉日報(YB-360)1981年11月15日
 国立国会図書館所蔵 
調査も困難を極めた。「とにかく作業環境が厳しくて大変な業務だった」と田中は語る。まず、海上での作業のため、波、風、霧、落雷、暑さ、寒さといった気象や海象の変化が立ちはだかる。そのうえ、担当した「浮島取付部」は、1日あたりの航行船舶数1,274隻のうち、90%強が航行する船舶過密域。フェリーをはじめ航行する船舶の安全には細心の注意を払った。さらに隣接する羽田空港の「航空制限」もあったため、起重機船による鋼製櫓の搬入、移動、搬出作業には潮位の変化や想定以上の時間を見込んでおく必要があった。そんな制約に次ぐ制約。刻々と変わる状況下での調査にかかる心労は想像を絶した。全業務が無事終了したとき「安堵感以外なかった」と語る田中の言葉がすべてを物語っている。
SMALL TALK
まさか荒天のなか出航することになるとは。(田中社長談)

特殊な現場はトラブルも特殊だ。同プロジェクトで使用された鋼製櫓は、国際航路内の設置のため「航路標識」扱いとされ、3基の櫓灯によって「国際モールスで発信する」ことが義務とされた。そんななか、櫓への落雷により同期のずれが発生。当時一技術者だった田中社長は荒天のなか出航し、同期調整にあたったという。

海上ボーリング技術を次世代へ手渡していく
「東京湾横断道路」あらため通称「東京湾アクアライン」は、1997年に開通。木更津人工島を境に千葉県側の「東京湾アクアブリッジ」は日本最長(4,384m)、神奈川県側の「東京湾アクアトンネル」は海底道路トンネルとしては世界最長(9,607m)を誇る。開通から20年で交通量は3.8倍になり、1.8億台、6億人が利用。木更津市では33年ぶりに小学校が新設されるなど人口増加にも寄与。極めて厳しい制約条件で実施した針の穴に糸を通すような調査の結果が、この成功を支えたのである。
その後も、中央開発は「傾動自在型試錐工法」や「鋼製櫓」を活用し多くの海上調査を実施してきた。近年は洋上風力発電のための地盤調査の引き合いが多く、「傾動自在型試錐工法」は常に日本の海域のどこかで稼働している状況だ。海上での気象や海象の情報収集や対応の方法、安全対策など「東京湾横断道路」での経験が生きていることは言うまでもない。
海上ボーリングは中央開発の代名詞とも言える技術。現在活況な洋上風力発電のための地盤調査は、田中社長が大保などベテランから仕事を教わったように、海上ボーリングの技術を次世代へ継承していく絶好の好機だ。
大地に、
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