サンゴ礁の現状と問題


美ら島のサンゴ礁が危ない

八重山諸島のサンゴ礁には多種多様な生物が生息しています。このようなサンゴ礁はわが国最大であり、生息するサンゴの種類は360種を超え、世界的にも非常に貴重だと言われています。また、沖縄本島や、日本列島の多くの海へサンゴの幼生を供給する源とも言われ、わが国全体のサンゴ礁を支える役割があると考えられています。さらに、これらのサンゴ礁に生息する多様な生物は、私たちの生活に恵みをもたらし、漁業や観光業という産業面からも重要な存在です。

サンゴの種類数

日本のサンゴの分布、数値はおおよそのサンゴの種類数
(ベロン・西平、ダイ、松本、矢島らの研究から推定)
「サンゴのはなし−おきなわの造礁サンゴたち」:沖縄県文化環境部より

しかし近年、八重山諸島のサンゴ礁が非常に少なくなり、危機的な状態になっています。これは、サンゴ礁に生息している多様な生物にも大きな影響を及ぼします。また、他の海にサンゴの幼生が供給しにくくなることから、わが国全体のサンゴ礁の生息にも影響することが危惧されています。さらに、漁業や観光業などの産業面においてもマイナスの影響が想定されます。

健全なサンゴ礁と死滅寸前のサンゴ礁
写真提供:土木学会