中越地震調査速報
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調査位置図
 

 被害状況

・小千谷市の被害状況

〔建物被害〕
小千谷市中心部での家屋の倒壊(全壊)は,主に旭橋の両岸にみられ,この付近は信濃川護岸の傷みが激しい。電柱の傾動は,特に西部の土川一体でひどい状態にある。

〔液状化〕
液状化による道路等の損壊は,市内全域に認められるが,特に市街地周辺の農道等の沈下が顕著に見受けられる。一般に下水道等の埋設管に沿って沈下しているものが多く,マンホールが1m以上浮き上がっている地点が,数多く観察された。また,橋梁やボックスカルバート等の構造物のある箇所は,いずれも少なからず段差が生じており,ところによって,20〜30cmほどの浮き上がりが生じて,交通に支障をきたしている。

〔墓石被害〕
小千谷市西部の寺町付近の墓石の倒壊状況を調査すると,およそ70〜80%の墓石が倒壊しており,おおむね北西方向(N60゜W)に飛ばされているものが多い。


小千谷市北中部

木造家屋の被害状況 <桜町>
 木造家屋の全壊、比較的新しい家屋は外見上被害が少ない。
小千谷市内の液状化噴砂跡 <桜町>
 液状化による噴砂跡、小千谷市内には噴砂が多数認められた。
非常階段による被害 <桜町>
 非常階段が倒れ、止めてあった車が押しつぶされた。
マンホールの浮き上がり被害および電柱の被害状況 <桜町>
 マンホールの浮き上がり80cm、電柱の多くが大きく傾く。
 
小千谷市南部

道路の被害状況 <市ノ沢>
 道路盛土部全体が波打ち、大きなクラックや崩壊が生じた
<山新田>
 木造家屋の全壊
地震による表層地すべりおよび斜面崩壊 <北山>
 表層滑り、高さ30m、幅50m、法肩から10〜15m部が表層崩壊
一帯には斜面崩壊が多く認められるが、深さはせいぜい2〜3m程度である。
   
魚沼丘陵

十日町の高盛土部の被害 <十日町焼野>
 高盛土部の押し出しにより幅20cmのクラックが生じる
十日町の高盛土部の崩壊 <十日町市親水>
 高盛土部端部の崩壊。段差30cm、幅30cm
十日町の道路および盛土被害 <十日町市親水>
 盛土、地山部の境界部に段差15cmが生じる
三坂トンネル付近の被害 <堀ノ内町三坂トンネル付近>
 盛土部全体が激しく崩壊ズタズタに。たまたま通りかかった車が巻き込まれた。 魚沼丘陵では最も被害の程度が大きい。 但し、三坂トンネル内部にはほとんど変状が認められない。

・柏崎市の被害状況

〔 柏崎越路線〕
北条小学校付近では道路陥没個所が数箇所見られ、森重付近では道路の亀裂と沈下が有り亀裂は幅15cm程有り50m程道路も波をうっており広田方面への走行は困難と成っていた。

〔佐藤池球場付近〕
球場外野付近(球場の外)は、液状化により5cm〜15cm程の穴が開き、砂が噴出していた、構造物との境が50cm〜80cm陥没している箇所が数箇所有り、陥没の大きい所はそれに伴い地盤に亀裂が入りすり鉢状になっている所も有った。
少量で有るがコンクートのはがれて落ちた個所も有った。

〔 田中地区〕
30〜50cmの陥没個所が多く、沈下と液状化の為かマンホールが50cm程浮いている所も有った。

〔 中道地区〕
鯖石川に架かる、たいしょう橋の取付部が沈下しアスファルトの下30cm程が下がり危険な状態、藤井堰に向う左岸側堤防に30m程亀裂が入り段差の有る所で100cm程有った。早急に補修か改修する必要が有ると思われる。

〔 鳥越地区〕
信越線を越える陸橋の下で、集落排水の管が壊れアスファルトの割れ目から水が噴出し、下水の悪臭が辺りに漂っていた。



・長岡市の被害状況

10月29日に調査団は,長岡市近郊でみられる噴砂状況を中心に調査を実施しましたので,速報として写真を掲載します。また,噴砂を採取し粒度試験を実施した結果を掲載します。


長岡地区の地盤の液状化の被害状況位置図、クリックすると拡大します
調査位置図
<A地点> 之島町長呂地区でみられる噴砂状況

中之島町長呂地区でみられる噴砂状況。淘汰現象がみられ噴砂の中心から離れるほど粒径の細かな微細砂が分布する。

粒度試験結果 A−1 A−2
 
<B地点> 与板町東与板地区でみられる噴砂状況
<B地点> 与板町東与板地区でみられる噴砂状況
与板町東与板地区でみられる噴砂状況。こちらも比較的広範囲に噴砂状況がみられる。
粒度試験結果 B−1 B−2
 
<C地点> B地点より南方へ約600mの所でみられる噴砂状況。噴砂の中心は30pほど沈下している
B地点より南方へ約600mの所でみられる噴砂状況。噴砂の中心は30pほど沈下している。
粒度試験結果 C−1 C−2
 
<D地点> 長岡市川袋町地区でみられる噴砂状況
長岡市川袋町地区でみられる噴砂状況。噴砂の中心は50pほど沈下している。
粒度試験結果 D−1 D−2 D−3
 
長岡地区の被害状況位置図、クリックすると拡大します
調査位置案内図
<E地点> 長岡市十日町地区でみられる噴砂状況
長岡市十日町地区でみられる噴砂状況。段差50pほどの亀裂も発生している。A〜D地点に比べて噴砂は微細砂が主体で,淘汰現象があまりみられない。
粒度試験結果 E−1 E−2 
 
<F地点> 長岡市高島町地区でみられる噴砂状況
長岡市高島町地区でみられる噴砂状況。E地点と同様に噴砂は微細砂が主体で,淘汰現象があまりみられない。
粒度試験結果 F−1 F−2
 
<G地点> 上越新幹線脱線状況
上越新幹線脱線状況(長岡市片田町付近)。
 
 
 
なお、ページ中の位置図は国土地理院1/25,000地形図長岡、与板、片貝を加工したものを使用しています。

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