平成15年(2003年) 十勝沖地震
平成15年9月26日午前4時50分頃に発生した十勝沖を震源(深さ約42km)とするマグニチュード(M)8.0の地震が発生しました
平成15年9月26日午前4時50分頃に発生した十勝沖を震源(深さ約42km)とするマグニチュード(M)8.0の地震について、震源地付近の当社現場の状況と災害状況について、速報いたします。
被害に遭われましたみなさまには心からお見舞い申し上げます。
(お問い合わせ先)
本社技術開発部;大鹿
TEL03-3208-5252
中央開発(株) 札幌支店技術部 瀧口 仰士
TEL 011-842-4155調査位置は以下のとおりです。続報に関してはこちらからどうぞ。
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1. 地震時の状況(札幌市)
地震時、札幌ではこれまでにないかなりの横ゆれを長く感じ(札幌震度4)、東区の自宅では花瓶のコップが棚から落ちて割れ、エレベータも緊急停止しました(白石区ではエレベータにとじこめられた人もいたようです)。早速、会社(白石区)に出社しましたが、支店は既に一報した通り、特に何か落ちたような形跡も無く、ビルや周辺にもタイルの落下等の変状はありませんでした。
また、震源に近い浦河、三石の現場(震度6弱)が気になったため、災害調査も含めて必要な機材を積み込み、現地に出発しました(5時45分)。
2.三石町、浦河町の現場の状況
様似漁港や三石漁港の地質調査の現場は既に終了しており、当日中間報告が予定されていましたが、様似漁港と三石漁港については、いずれも岩盤が極浅く分布しているため、地震の影響はほとんどないようでした。
三石町や浦河町における8月の台風10号の豪雨災害による国道斜面崩壊箇所では、地質調査を実施中でしたが、岩盤斜面のためか地震による変状は特にありませんでした(写真参照)。
3. 三石町や浦河町の地震災害状況
道の駅三石では、展望台(砂丘)の斜面上部に大きな段差を生じているのを確認しましたまた、浦河町では、一部道路や小学校の陥没があり、コンビニでは、ワイン等のビンが倒れて多数割れているのが確認できました(写真参照)。
しかし、現場近くの三石町、浦河町、様似町では、地盤が比較的良い(新世代~中世代の岩盤が浅く分布)ため、それほど大きな被害をうけていないようでした。
4. 広尾町十勝港の地震災害状況
十勝港のある広尾町は、震度では5強となっていますが、地盤の関係(三角州)から被害が甚大で、随所で陥没や液状化がみとめられました(写真参照)。また、津波の影響で小型漁船の転覆等も認められました(写真参照)。
5. 白老町白老漁港の地震被害状況
白老漁港(震度5強)でも、液状化現象や岸壁の亀裂等の被害が確認できました(写真参照)。
6. 札幌市清田区の地震被害状況
帰社後、札幌市清田区でも液状化による地盤の沈下とそれにともなう家屋の傾斜や損壊が確認されたという情報があり、 27日にこれを確認しました(写真参照)。
被害地点は、支笏火砕流からなる洪積の台地でもともとは地盤の良いところとされていましたが、 沢地形を掘削土の火山砂で埋め土したところで地下水位も高いため、液状化を生じたものと思われます。 また、札幌市の震度は発表では4でしたが、札幌より震源から遠い北の美唄市等の震度は5で、 地盤によっては札幌でも震度5に近いゆれがあったと考えます(地盤の悪い札幌市の東北で特にゆれが大きく被害もおおきい)。
今回の地震による被害は、今回の速報で報告した以上に広大な地域におよんでおり、被害がさらに拡大すると思われます。
土木的に注目される被害としては、十勝や釧路を中心として以下のものが挙げられ、今後さらに調査を実施したいと考えています。
- 港湾施設の液状化、岸壁沈下や亀裂。
- 道路の陥没や沈下、土砂崩れ。
- 十勝川等の河川堤防の亀裂と液状化。
- 農業用排水路の沈下。
- 農業ダムの周辺地山保護盛土表面ずれ(十勝幕別ダム)。
- 札幌市街地の液状化(人工地盤:都市型災害か)
以上、速報としてご報告いたします。
(平成15年9月30日記)
※調査写真は、クリックで、別ウィンドウで開きます。
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①厚真町豊川橋の道路段差
②三石公園展望台の段差
③札幌市清田区傾いた家
④札幌市清田区液状化跡
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⑤白老漁港道路部亀裂
⑥白老漁港液状化跡
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⑦白老漁港液状化跡その2
⑧浦河町道路部の亀裂
⑨浦河町道路部の段差
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