◆大規模地震道を想定した地盤の変形量の予測 IT-506
有限要素法(FEM)を用いた地震時永久変形解析の紹介
検討内容
地震動によって土が繰返し、せん断応力を受けることで歪が累積し、
土の剛性が低下するため変形を起こすという特性を考慮して、変形量を計算で求めようというものです。
@ 2次元FEM初期応力解析(自重解析)法 e 静的応力σs を算出
A 2次元FEM地震応答解析(等価線形法) e 動的応力σd を算出
B σsとσdを引き継ぎ、別途求めておいた地盤の歪特性に当てはめ、累積歪及び土の変形係数の低減率を求める。
C 低減後の変形係数を代入し、@と同様に自重解析を行い地盤の変形量が求められる。
解析で考慮する条件等
振動三軸試験結果から土の動的変形特性 (G/G0〜γ,h〜γ特性)、土の累積歪み特性、
地層構成及び土質定数、構造物形状、地震波形等
RC構造物と土のようにその剛性が大きく異なる場合は、境界にジョイント要素を設けて現実的な挙動を再現できる。
検討実施例
下の図は橋台での適用例で、背面地盤と躯体前面の赤い部分が変形係数の低下が著しく、
この結果から橋台の転倒や背面地盤の揺り込み沈下が起こるものと判断できます。
検討実施例
◆浸透流解析による地下水分断の影響検討 IT-507
地下水分断による影響・対策工検討のための浸透流解析の紹介
地下水分断とは?
地下水分断は、トンネルなどの地中構造物の建設に伴って自然地下水の流れが遮断される現象です。
具体例として、トンネル施工に伴って下流側への地下水の流入が分断され、
構造物を挟んで上流と下流で水位差が生じた例を下図に示します。
地下水分断が生じた場合の問題としては、水位低下に伴う井戸枯れや地盤沈下、
水位差による構造物に作用する偏土・水圧の発生などがあります。
検討事例
地下水分断による影響を予め予測しておくことは、構造物建設予定地周辺の影響評価、
構造物本体の設計を実施する上で非常に重要です。
当社では、現在まで地下水・水文調査と併用し目的に応じて下記のような浸透流解析を実施しております。
[業務実績]
平成12年度 「青梅トンネル水文調査」 日本道路公団
平成12年度 「環状第8号線(南田中)水文調査及び地質調査委託」 東京都
◆ Newmark法による地震時変位量算定プログラム IT-508
Newmark法による地震時変位量算定プログラムの紹介
はじめに
先の阪神・淡路大震災以降、各種構造物の耐震基準の見直されている中、
従来の耐震設計よりも地震によって構造物に生じる残留変位を予測することが重要になっています。
この度、(財)鉄道総合研究所のご指導により、(株)複合技術研究所と当社で共同開発したプログラム
「(仮称)Newmark-D for Windows(Ver.1.0) 」は、鉄道構造物設計標準・耐震設計編 (平成11年3月)に基づき、
Newmark法によって滑動変位量を算定するとともに、鉄道における盛土の耐震性を検討することができます。
Newmark法
本プログラムにおけるNewmark法とは、安全率Fs=1.0となるのすべり円 (臨海すべり円) に対して任意の入力波を想定し、
すべり土塊の移動量を算出する方法です。
具体的には下図に示すように、設計加速度 (降伏震度相当) 以上の地震加速度が作用した場合に、
すべり土塊が動くものとして円弧中心の関する角運動方程式を線形加速度法により数値積分します。
J:土塊の慣性モーメント、 θ:回転角、 Md:転倒モーメント、 Mr:抵抗モーメント
プログラムの概要表
機能項目 |
(仮称)Newmark-D for Windows |
盛土・地盤材料 |
最大10層、各層均質 |
補強材の種類 |
面状補強材、棒状補強材 |
補強材の配置 |
任意配置、任意長、任意強度(半自動配置も可) |
補強材の特性 |
引張りに抵抗 |
上載荷重 |
不等分布荷重(最大5種類) |
結果出力 |
計算条件、計算結果出力 |
図化出力 |
プリンター等 |
お問い合わせは、ソリューション事業部 情報技術部 神原まで TEL 048-250-1400