平成15年(2003年) 十勝沖地震続報
平成15年9月26日午前4時50分頃に発生した十勝沖を震源(深さ約42km)とするマグニチュード(M)8.0の地震が発生しました
襟裳岬〜十勝川付近の災害データを追加します
被害に遭われましたみなさまには心からお見舞い申し上げます。
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前回調査した範囲との関係は上記のようになっています。今回の調査範囲を以下に示します。
調査結果を地区毎に以下に示します。
1.道路の被害
道路の被害は十勝川流域の豊頃町一円、池田町、大樹町、浦幌町の一部に多く認められた。震災から3週間経った後でも、片側通行や全面通行止めになっている区間が多数存在する。いずれも、港湾部の道路や盛土部、橋脚部の継ぎ目等の被害がほとんどである。また、北海道特有の湿地部上につくった道路の被害も多い。一方、広尾町、えりも町、様似町等の半島部では、道路の被害はほとんど認められなかった。半島部の被害が少ないのは地盤が影響していると考えられる。十勝川周辺河川において、堤防すべりがいたる所で認められたことも本地震被害の特徴である。
2.家屋の被害
北海道では、家屋の屋根は瓦が使われていないこと、隣接する家との境界や道との間に石垣、ブロック壁等の壁が使われていないなどの理由により、瓦や塀の被害はほとんど無く、外見から家屋の被害を知ることは困難である。一部地域(豊頃町等)では、家の壁にヒビが入ったり、家が傾いたりしたが、分布は限定的である。一方、道路の被害同様、半島部のえりも町では外見から判断する限り、家屋の被害はほとんど認められなかった。
3.斜面崩壊
斜面崩壊はえりも町〜広尾町にかけての黄金海岸で認められる程度で、多くはない。黄金海岸における斜面崩壊は以前からあったものであり、斜面崩壊のすべてが地震による影響ではないと考えられる。
4.津波被害
えりも町百人浜、庶谷港、広尾町音調津港、十勝港で津波の痕跡を確認した。津波被害は港における被害がほとんどで、一般住宅の被害はほとんど認められなかった。港湾施設の浸水や、港に止めておいた車や小型船舶が海に流された等の被害が目立った。津波の痕跡は、流された流木やゴミ、倒された草木により推定可能である。えりも町百人浜の海水面から津波の痕跡跡までの高さは今回の地震で最も高く、4mと報告されているが、砂丘の中の小さな入り江部に限定されているようである。
<地元の方の話>
- 少なくとも第1波、第2波の2波があった(十勝港)。
- 1952年の十勝沖地震(MJ8.1)は、津波が来る前に大幅な海面水位の低下があったが、今回は津波の前に海面水位の低下がほとんど認められなかった。1952年の津波の直前は、 海水が引いた海岸で海産物を取る余裕があった。
- 広尾町音調津港、十勝港では、陸地側が沈下した。満潮時に水没しなかった場所が水没する現象がみられ、 地震前と比べて港の水位が明らかに違う(十勝港、音調津港)。
※地震調査研究委員会では広尾、えりもにおける地震に伴う上下変動をそれぞれ−24cm、−18〜19cmと報告している。Bの地元の方の話は地震調査委員会の報告と一致する。
以上、続報としてご報告いたします。
(平成15年10月23日記)
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※調査写真は、クリックで、別ウィンドウで開きます。
ブラウザを閉じて戻ってください豊頃町 豊頃
@豊頃町 豊頃
マンホールが1.5m程度も浮き上がる。道路下に横断管がある場所は軒並み陥没している。
A豊頃町 豊頃
豊頃駅前通り
歩道部の液状化及び陥没が認められる。駅前付近の道路の被害多数。
B豊頃町 豊頃
旧利別川堤防
堤防すべりはいたるところで認められる。
C豊頃町 豊頃 家屋の壁の破損状況
外見から判断する範囲において、家屋被害はそれほど顕著ではない。
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ブラウザを閉じて戻ってください豊頃町 大津
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ブラウザを閉じて戻ってくださいえりも町 百人浜・庶野港
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ブラウザを閉じて戻ってくださいえりも町 黄金海岸
@えりも町
黄金海岸
黄金海岸付近は急な絶壁が連続している。地震前においても斜面の工事を行なっていたが、地震により斜面崩壊が多発し、3日間通行止めになった。
地質は、日高累層の粘板岩
Aえりも町
黄金海岸
同上
広尾町 音調津港
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ブラウザを閉じて戻ってください広尾町 十勝港
@広尾町 十勝港
津波の痕跡
道路面から50cm付近のところに流木、草が密集する。
港湾付近の建物も50cm程度海水に浸かったとの報告あり。
少なくとも2m以上の海面水位の上昇あり。
A広広尾町 十勝港
港湾部の施設に陥没、亀裂が多数認められる。
B広尾町 十勝港
港湾部の施設はいたる所に陥没、亀裂が認められる。
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