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設計地震動

建築・土木構造物の耐震設計に必要な模擬地震動を作成します

設計用地震動とは

  1. 主に建築物構造性能評価が必要な高層、超高層建築物や耐震・免震構造を前提とした重要度の高い構造物の設計に必要な模擬地震動のことです。
  2. 入力地震動としては、大きく、「告示波」と「サイト波」があります。
  3. 告示波の作成は、「設計用入力地震動作成手法技術指針(案)、建設省建築研究所、(財)日本建築センター、平成4年3月」が基準になっています。
  4. 対象構造物が港湾施設の場合を除いて、サイト波の作成方法は、原則として指針・基準がありません。通常は、対象高構造物への影響が大きい震源断層を選定して、統計的グリーン関数法などの適切な手法で模擬地震動を作成することや、近傍の被害地震の観測記録を利用することが一般的です。

「告示波」:建設省告示1461号に示される設計スペクトルに適合する地震動
「サイト波」:対象構造物への影響が大きい特定震源により構造物サイトに発生する地震動

設計用入力地震動の作成フロー

設計用入力地震動の作成フロー(イメージ図)

地盤モデルの作成

  1. 地表から工学的基盤(Vs=400m/s程度)までの表層地盤モデルは、ボーリング調査、室内土質試験、PS検層などの情報を基に作成します。
  2. 地震基盤(Vs=3000m/s程度)までの深部地盤モデルは、既往研究成果や微動アレイ探査、常時微動測定などの情報を基に作成します。

震源断層設定

対象構造物周辺の過去の地震被害や付近の活断層、国や地方自治体が公表している地震被害想定調査などの資料を収集します。それらの資料を基に、対象構造物への影響が大きい震源断層を設定します。活断層型と海溝型それぞれ設定することもあります。

工学的基盤面の地震動作成

  1. 告示波の作成は、「設計用入力地震動作成手法技術指針(案)、建設省建築研究所、(財)日本建築センター、平成4年3月」が基準になっています。
  2. サイト波は、半経験的手法の経験的グリーン関数法や統計的グリーン関数法または、ハイブリッド法により工学的基盤の地震動を作成します。ハイブリッド法は、短周期帯域では半経験的手法、長周期帯域では波数積分法などの理論的手法で計算した波形を合成して作成します。
  3. 大型貯蔵タンク、長大吊橋、超高層建築物、免震構造の建築物などは、周期2秒以上の長周期帯域の固有周期を有します。これらの構造物は、長周期地震動に対する対応策が求められるため、「超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策について、国土交通省住宅局、平成28年6月」などに基づいて、長周期地震動のサイト波を設定します。

構造物基礎面の地震動作成

  1. 工学的基盤の地震動を用いて、表層地盤の地震応答解析により、構造物基礎面の地震動を作成します。
  2. 解析手法は、等価線形解析(SHAKE、DYNEQ)、逐次非線形解析(YUSAYUSA)、非線形解析(FLIP)などを用いて、全応力解析を実施します。
  3. 液状化地盤では、YUSAYUSAやFLIPを用いて、有効応力解析を実施します。
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